知っておきたい!靴の生産が及ぼす環境問題と、今後の「サステナブル」への取り組み

こんにちはshuです。前回「サステナブルとは何か」についての記事を書かせてもらいました。

最近よく聞く「サステナブル」という単語ですが、実際の施策とは具体的にどういうもの?そういった疑問に答える記事になっています。

ファッション産業は環境に多大な影響を与えています。地球に負担を掛けないようにどういった施策をしているのか。今回は僕が身を置く「靴」メーカーの視点で具体的なその施策内容を解説していきたいと思います。

また我々がいつも履いている靴1足が地球環境にどれだけ影響を与えるのか、この記事を読んで関心を持ってもらえればと思います。皆さんの日常生活にも密接な内容になっていますので是非最後まで読んでみて下さいね♪

それでは早速ですが解説していきます!

この記事を書いているのは

こんにちは「shu」です!当ブログでは「サステナブル」についての記事を書いております。今後益々大きくなる「サステナブル」の取り組み。持続可能な社会の為に我々ができる事は何でしょうか?

目次

1、生産業が及ぼす環境問題への影響と今後の課題

皆さんがいつも履いている靴、どの靴1足をとっても貴重な環境資源を削って生産されています。現在、産業界が直面している環境問題が次の3つです。

産業が抱える環境問題

1.有限な自然の木々などの伐採による環境破壊
2.CO2などの有害物資排出による環境汚染
3.技術不足、材質問題によるリサイクル問題

どの問題も現在深刻度を増し、地球に住む我々人間にとって無視できない大変な問題です。


前回の記事でもお話ししましたが現在地球は、人による環境汚染や資源削減、また人口増などが影響し存続が危ぶまれるほど重大な局面を迎えております。

宜しければこちらの
「サステナブル」とは?その意味についてファッション分野を交えてわかりやすく解説!
をお読みください。

ファッション企業に対するサステナブル要素は必須項目であり、各企業が開発の為凌ぎを削っているのが、今紹介した問題の3つ目に該当する「技術不足、材質問題によるリサイクル問題」になります。

生産企業はアイデアやブランディング力だけでなく経済力さえあれば生産を行うことはできます。しかしその後の使われなくなった商品の廃棄やリサイクル等の後処理まで見据えて生産している企業というのは現状少ないです。

何故なら靴産業界で言えば、靴1足を作る過程で使われる素材は化学物質を多用していて基本的に後処理の仕方が大変だからです。そこには技術力が必要だし、根本的な材料変更も余儀なくされるため非常に難しい問題だと思います。

今までただ生産段階にだけこだわっていたメーカーは頭を抱えています。サステナブル精神が若い年代に根付いてきて、後処理の仕方も商品内容の一部として含まれる為です。

またアパレル業界だけでなく、例えば自動車産業で言えば車のニーズも増え、それに伴うタイヤの生産量の増加により、その廃棄の仕方が問題視されています。何故ならタイヤは仮に埋め立てたとしても自然に還らないんですね。ずっと地中に眠り続ける上、有害物質を発生させる温床となっています。

なので後処理の段階をどうするのかが、今後の生産業の一番の課題です。その為に製品のまま自然に還す仕組みと、その原材料の開発が各企業で急がれます。

2、靴生産における後処理問題

ここからはもう少し掘り下げて、靴業界に焦点をあてて解説していきますね♪

世界では、年間約250億足の靴が生産されていると言われております。やはりその生産量を見ると靴というのは人と密接な関係なんだなぁと考えさせられます。現在の世界人口が75億人と言われておりますので、1人で年間3足は履き替える計算になります。

人によって消費されて履かれなくなった靴は大きく分けて2通りの処理のされ方をします。

靴の後処理(年間250億足)
①リサイクル(5-10%)12-24億足
5~10%
②廃棄(90-95%)217億足
90~95%

1.リサイクル(5-10%)12-24億足

生産された靴の後処理で、原材料再生(リサイクル)などの処理をされるものは中にはあります。しかしそれは少数です。原因は複雑な商品の構造によるのですが(化学原料を用いたアッパーの分解処理や、ソールとアッパーの引き剥がしなど)、それを処理する為には人的作業ではままならず複雑な作業が必要となるからです。

またその過程で生じてしまう温室効果ガスの排出など別の問題も誘発するんですね。なので、このリサイクル処理される足数は少量になってしまいます。

2.廃棄(90-95%)217億足

続いて、リサイクル処理されなかった靴がどうなるかをお話しますね。見出しにもありますがほとんどが廃棄されます。もう後処理のほぼ全てがこの廃棄に回るんですね。言い方を変えれば靴は現状ほぼリサイクル出来ないんです。

しかも廃棄のうち10%は焼却により処理されますが、残りの90%は焼却することも出来ず、埋め立てによる処理をされます。(焼却22-23億足、埋め立て195-207億足)埋め立て地の多くは東南アジア諸国が選ばれ、現在国際問題にまで発展しています。

3、適切な処理がされずいつまでも地中に残り続ける靴

皆さんが日々履いている多くの靴は機能性の向上を目的とし、アウトソールに石油由来であるEVAやPU、PVCなどの素材を用いて生産されています。

この石油系素材というのは埋め立て地での生分解消がとても難しく、1000年もの長い間分解もされずそのまま地中に残り続けると言われています。またその過程で放出される揮発性有機化合物(VOC)や温室効果ガスなどは、健康被害や地球温暖化の原因とも言われているんですね。

また、埋め立て処理場から河川への汚染物質の流出、更には河川を通じて海へ流出し、海洋汚染等にまで影響を及ぼしているのも忘れてはいけません。 

2019年、東南アジアのある国におけるごみ問題と食品汚染について調査したレポートによると、埋め立て地近くの村で収穫された卵から欧州の食品安全基準の70倍高い濃度のダイオキシンが検出されたと報告されています。 

ビックリですよね。自分が履き終えた靴ってどうなるのかなぁってずっと疑問には思っていましたが、ほぼその全てが埋め立て処理され地中に今もまだあり続けているとは・・・。

これは大変な問題ですよね。僕の勤めているメーカーでも大量の廃棄靴があって週に1度区のゴミ処理センターの方に回収してもらっております。

本当反省しなければいけないし、この現実を知り、靴業界に身を置く立場として少し怖く情けなくなりました。この工程をいつまでも続けるわけにはいきません・・。

各企業がどんどんサステナブル商品の開発をして地球への負担を減らさなければいけませんね。

ファッション企業が打ち出したユニークな「サステナブル」施策

次に取り上げるのは各靴関連メーカー具体的にどのように、持続可能な未来のためのサステナブル商品開発をしているのか。また環境への配慮とその取り組み法は何なのか、代表的なメーカーをリストにまとめてみましたので、よければ参考にしてください。

メーカーリスト

1.世界初!!土に還るソールブランド「GENN」(公式)
2.廃タイヤからサンダルへ「indosole」(公式)
3.テニスボールからスニーカーへ)「ABN AMRO」
(公式)
4.着物から女性用の靴へ「Relier81」(公式)
5.コーヒーかすからスニーカーへ「Rens」(公式)
6.100%リサイクル可能なシューズ「adidas」(公式)
7.廃棄物やゴミを使用したスニーカー「NIKE」(公式)

ここだけに収まらないほど現在、様々な靴メーカーが技術を駆使してこのサステナブル問題に向き合っています。
また、勿論ですがナショナルブランドであるNIKEやadidasもこの社会全体が抱えるサステナブル問題について、きちんとした施策を行っているんです!その内容はどれもファッションブランドらしい、興味深くユニークな施策ばかりです♪

その中で今回は世界初、本来自然へ還すのが難しいとされているソールの後始末を特殊技術によって土に還るものにした「GENN」さんの取り組みを簡単にご紹介します。

土に還るソールブランドその名は「GENN」

「GENN」
WWD 公式サイト引用

GENN(ジェン)
は、これまで難しいとされてきた天然ゴムを発泡してつくられる、土に還る革新的なソール を発明したブランド名です。
シューズの快適性と機能性を支え、その代償として環境への影響が最も大きいシューズパーツであるソール 、自然科学技術によって生まれたGENNソール を選ぶことで機能的且つ快適に過ごしながら地球の未来に貢献できます。
人間の快適性が犠牲にされたオーガニックソールや、その生産過程において環境負荷が考慮されたEVAソールとは一線を画します。

「ソールが自然に還る」これは凄く画期的な発明ですよね!何故ならソールは自然に還らず地中に眠り続けるうえ、有害物質の温床になっていたわけです。それに何しろ世界発ですからね。アパレル業界は待ちに待った開発になった訳です。靴の後処理で一番難儀だったのが、このソールの処理問題です。
その「GENN」さんが今回開発に成功したものは簡単に言えば「天然ゴムを発泡させる」というその技術という訳ですね。

その過程は以下の通りになります。

ステップ1、「ゴムの木」
インドネシアやタイで育つゴムの木より生分を採取する。
ステップ2、「水洗い&自然乾燥」
凝固した生分を砕き、水洗い&自然乾燥させ、それをプレスし、ブロック状の生ゴムにする
ステップ3、「ペレット化」
成型したブロック状の生ゴムと、一部の自然鉱物を混ぜてビーズ状の細かいペレットに加工する
ステップ4、「発泡化」
特殊な技術でそれを発泡させる

驚くべきはステップ4の「発泡化」させる技術なんです。その詳細までは明らかにされていないのですが、各社こぞってこの「GENN」さんの開発に便乗したい所だと思います。

世界初、土に還る「天然ゴム特殊発泡ソール」
「GENN」の特殊発泡ゴムソールは天然ゴムから作られ、有害物質は一切使用していません。100%天然素材で作られている為、不燃ゴミとして処理されても分解性が高く、地中に埋め立てられても、土へと還ります。
自然に育ったゴムの木からできる樹液より作られる天然ゴムは、これら環境問題に適合する素材であり、現状地球で起こっている課題を大きく変える新しい技術です。この技術は、今まで誰も実現する事の出来なかった天然ゴムを主体とした100%天然由良の成分で発泡素材を生成する国際特許技術です。
(GENN公式サイト引用)

「GENN」さんのこの画期的な技術開発で、我々靴業界の生産過程は生まれ変わろうとしています。環境的にも嬉しいのですが、天然由来成分だからこそ叶った機能性への向上にも成功しているんです。また「サステナブル」に叶った世界初の商品開発となり靴業界だけでなく全世界の産業にも進言できる技術ではないでしょうか。

ファッション分野での環境問題が問題視される中、特にこの「靴」業界においては救世主となり得る企業「GENN」さんの今後の取り組みに今後も注目していきたいですね。

まとめ

いかがだったでしょうか。これまで靴の生産が及ぼす環境問題と、今後の「サステナブル」への取り組みについて解説してきました。我々1人1人と密接なツールである「靴」の生産においてどれだけそれが地球環境に影響があるのか、微力ながら解説させて頂きました。最後にポイントをまとめると、

  • 生産業においてクリアにすべき問題は使用後の「リサイクル」問題
  • 靴の後処理は、そのほとんどが埋め立てによる処理で分解されず地中に眠り続けている。
  • 救世主となる「GENN」の「天然ゴム特殊発泡ソール」の技術開発

この3点が本記事のポイントとなります。これから我々に求められるのは人間だけではなく地球に優しい物作りです。私たちを取り巻く環境はいま、大きな転換期を迎えようとしてます。本記事を読んで「サステナブル」に関心を持って頂ければ幸いですし、より靴を好きになってもらえれば嬉しいです♪

お読み頂きありがとうございました!!

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この記事を書いた人

はじめまして!!都内にあるファッション靴メーカーに勤めるshuです!
ブログ初心者(都内住み)です♪仕事で経験しているECサイト運営や商品企画経験を活かし、ファッションに関する有益な情報を皆様にお届けできればと思います。キーワードは「FASION」と「SUSTAINABLE」です!よろしくお願いします♪

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