靴やスニーカーの環境問題とは?これは知っておきたい!

靴の生産と環境問題

我々は普段の生活で「靴」を多く使用します。

  • どこかへ移動する際
  • お洒落を楽しみたい時
  • レジャーを楽しむ際
  • 危険な仕事をする際

などなど。

「靴」は我々の足を守るだけでなく、普段の私生活においてなくてはならないものです。

そんな「靴」を我々は年間通して平均で1足~3足程購入すると言われております。

また年間で約「250億足」もの「靴」が世界では生産され、市場に出回っております。

今回、そんな「靴」が与える環境問題に関して、普段「靴」メーカーに勤める筆者がその施策内容を解説していきたいと思います。

本記事を読んでいただければ「靴」が環境に与えている問題というものが「どういうものか?」、そしてそれが「どれほどまでに深刻なものなのか?」を理解することができます。

「靴」は我々の生活に密接なアイテムなだけに、現在世界が直面している「サステナブル」な観点から言っても、一人一人がもっとしっかり向き合わなければなりません。

簡単な内容となっておりますので、どうぞ気楽に読み進めてみてくださいね♪

それでは早速参りましょう。

この記事を書いているのは

当ブログでは「サステナブル」についての記事を書いております。今後益々大きくなる「サステナブル」の取り組み。「持続可能な社会」の為に我々ができる事は何でしょうか?

目次

「靴業界」が及ぼす環境問題への影響と今後の課題

タイヤゴミ

現在、産業界が直面している主な環境問題は次の3つとされています。

産業が抱える環境問題
  • 有限な自然の木々などの伐採による環境破壊
  • CO2などの有害物資排出による環境汚染
  • 技術不足、材質問題によるリサイクル問題

どの問題も深刻化が進んでおります。

そんな中今回の「靴業界」はどのような問題に直面しているでしょか?

靴生産が与える環境への負荷は多大な物

「靴」が抱える環境問題はいくつかあげられます。

その中でもまずは、

生産の段階でいかに環境に配慮した靴づくりができるか?

これこそがこの「靴業界」が真っ先にクリアしなければならない問題と言えるでしょう。

「靴」に限らずどんな商品であってもそれが我々の手元に届くまでに、まずは「生産」がなされなければなりません。

あなたがいつも履いている靴。

  • スニーカー
  • 革靴
  • サンダル
  • パンプス
  • レインシューズ

と。

そのどの靴「1足」をとっても貴重な環境資源を削って生産されています。

また「靴」のアッパーを生産する為に特殊な加工技術を施したり、塗料や化学繊維の使用など。

「靴を生産する工程」というのは、どれをとっても環境に負荷がかかるものばかりです。

またアッパーだけに限らず、ソールの生産も併せて必要となるし、アッパーとソールを接着する工程も必要になる。

それにも関わらず我々は毎日こうしてこの「靴」を履かなければならず、日々その靴はすり減っていくばかりです。

冒頭でも述べましたが我々は平均で年間1~3足程靴を購入すると言われております。

そしてそれに応じるように年間約「250億足」もの靴が生産されていると言われております。

靴の生産は多大に環境へ負荷を与えるが、それでも生活に必要な為、生産し続けなければならない。

この生産における「ジレンマ」を我々はどうクリアしていくかが一つ目の課題となります。

靴生産における後処理問題

靴を磨く職人

また、靴が抱える問題は「生産」だけには留まりません。

それは靴の後処理問題です。

繰り返しになりますが世界では、年間約250億足の靴が生産されております。

現在の世界人口が75億人と言われておりますので、1人当たり年間1~3足の「靴」を履き替える計算になるんですね。

さて履かれなくなった靴は一体どのように後処理されるでしょうか?

その種類は大きく分けて次の2通りに分類されます。

  1. リサイクル
  2. 廃棄

しかしながらここで問題視される点があります。

それがその内訳です。

次のグラフをご覧ください。

靴の後処理(年間250億足)
①リサイクル(5-10%)12-24億足
5~10%
②廃棄(90-95%)217億足
90~95%

ご覧のように圧倒的に廃棄の割合が大きいのです。

それでは続いて、

  1. リサイクル
  2. 廃棄

この二つにおいて何故このような内訳になってしまうのか見てみたいと思います。

リサイクル(5-10%)12-24億足

生産された靴の後処理で、リサイクル(原材料再生)などの処理をされるものは中にはあります。

しかしそれはごく少数なんですね。

その原因は「化学原料を用いたアッパーの分解処理」や「ソールとアッパーの引き剥がしなど」「靴」の複雑な商品の構造によるものです。

またそれを処理する為には人的作業ではままならず、機械や特殊技術を使用したりと複雑な作業が必要となることも原因として考えられます。

要するに、

「靴」はリサイクルしづらく、リサイクルするにもお金がかかる

のですね。

またその過程で生じてしまう温室効果ガスの排出など別の問題も誘発することにもなります。

よって、リサイクル処理される足数は少量になってしまうのです。

廃棄(90-95%)217億足

靴の廃棄(年間217億足)
①焼却(22-23億足)
5~6%
②埋め立て(195-207億足)
90~95%

それではリサイクル処理されなかった靴はどうなるのかをお話します。

先程のグラフにもありましたが、そのほとんどが廃棄されます。

もう「靴」のける後処理のほぼ全てがこの廃棄に回ると言っても過言ではありません。

この結果が物語るように「靴」は現状ほぼリサイクル出来ないんです。

しかも懸念すべき点は、廃棄のうち10%は焼却により処理されますが、残りの90%は焼却することも出来ず、埋め立てによる処理をされるということです。

またその際、埋め立て地の多くは東南アジア諸国が選ばれますが、その問題が現在国際問題にまで発展するほどにまで進展しております。

続いて埋め立てされた「靴」が果たしてどのような問題を招いているのか見ていきたいと思います。

適切な処理がされずいつまでも地中に残り続ける靴

ゴミ廃棄場

これほどの量(195-207億足)が埋め立て処理をされるわけですから、その影響は甚大なものであるのは容易に想像がつきます。

我々が普段履いている「靴」ですが機能性の向上デザイン性の向上を目的とし、アウトソールにEVAPUPVCなどの石油由来である素材を用いて生産されています。

この石油系素材というのは地中での生分解消がとても難しいとされているのです。

要するに、

時間が経っても自然に還りづらい

のですね。

それは「1000年」もの長い間分解もされずそのまま地中に残り続けるとまで言われています。

また地中に眠り続ける中で放出される揮発性有機化合物(VOC)温室効果ガスなどは、健康被害や地球温暖化の原因とも言われております。

更にそのような有害性物質が埋め立て処理場から河川へ流出し、そこから河川を通じて海へ流出し、海洋汚染等にまで影響を及ぼしているのも忘れてはいけません。 

2019年、東南アジアのある国におけるごみ問題と食品汚染について調査したレポートによると、

埋め立て地近くの村で収穫された卵から欧州の食品安全基準の70倍高い濃度のダイオキシンが検出された

と報告しています。 

shu

ビックリですよね。自分が履き終えた靴ってどうなるのかなぁってずっと疑問には思っていましたが、ほぼその全てが埋め立て処理され地中に今もまだあり続け、しかも大気汚染まで招いているとは。

僕の勤めているメーカーでも大量の廃棄靴があって週に1度区のゴミ処理センターの方に回収してもらっております。

以下は実際に「靴」を捨てる際に撮った写真です。

靴のゴミ

このように多くの「靴」を捨ててしまう事をまず反省しなければいけません。

靴の環境問題に終止符を打つ、ユニークな施策

ナイキスニーカー

それではここで少し余談をしてみましょう。

ここでは靴メーカーが打ち出した「サステナブル企画」を少し紹介したいと思います。

先程も申し上げましたが、

靴の生産は多大に環境へ負荷を与えるが、それでも生活に必要な為、生産し続けなければならない。

このジレンマをどう打ち砕いていくかが、靴メーカーの課題でもあります。

そんな中、「環境に優しい画期的な靴生産」をしているメーカーがいくつかあります。

ここだけに収まらないほど現在、様々な靴メーカーが技術を駆使してこのサステナブル問題に向き合っています。

また、誰もが知るナショナルブランドでもある「NIKE」や「adidas」なども今ではこの社会全体が抱えるサステナブル問題について、きちんとした施策を行っているんです!

そんな中、今回は本来自然へ還すのが難しいとされているアウトソールの後処理を特殊技術によって世界初、「土に還る」ものに成功した「GENN」さんの取り組みをご紹介します。

土に還るソールブランドその名は「GENN」

ソールブランド「GENN」とは?

GENN(ジェン)は、これまで難しいとされてきた天然ゴムを発泡してつくられる、土に還る革新的なソール を発明したブランド名です。

シューズの快適性と機能性を支え、その代償として環境への影響が最も大きいシューズパーツであるソール 、自然科学技術によって生まれたGENNソール を選ぶことで機能的且つ快適に過ごしながら地球の未来に貢献できます。

人間の快適性が犠牲にされたオーガニックソールや、その生産過程において環境負荷が考慮されたEVAソールとは一線を画します。

以上、GENN公式サイトより引用

靴の後処理で一番難儀だったのが、このソールの処理問題です。

先程も解説してきたように「靴」の後処理問題に関して「アウトソール」が自然に還る為には約「1000年」ほど時期を要します。

また「アウトソール」はその間自然に還らず地中に眠り続けるうえ、有害物質の温床になっていたわけです。

そんな中GENNさんの「ソールが自然に還る」という開発は、靴生産の次代を担う画期的な発明であると言えるでしょう。

「世界発」というのが、その凄さの現れでもあり靴メーカーからして待ちに待った開発になった訳です。

100%天然由来成分のゴムを発泡させるから環境に優しい

GENN取り組み
GENN公式サイトより出典

その「GENN」さんが今回開発に成功したものは簡単に言えば「天然ゴムを発泡させる」というその技術という訳ですね。

その過程は以下の通りになります。

以下GENN公式サイトより引用

STEP
「ゴムの木」

インドネシアやタイで育つゴムの木より生分を採取する。

STEP
「水洗い&自然乾燥」

凝固した生分を砕き、水洗い&自然乾燥させ、それをプレスし、ブロック状の生ゴムにする。

STEP
「ペレット化」

成型したブロック状の生ゴムと、一部の自然鉱物を混ぜてビーズ状の細かいペレットに加工する。

STEP
「発泡化」

特殊な技術でそれを発泡させる

世界初、土に還る「天然ゴム特殊発泡ソール」
「GENN」の特殊発泡ゴムソールは天然ゴムから作られ、有害物質は一切使用していません。100%天然素材で作られている為、不燃ゴミとして処理されても分解性が高く、地中に埋め立てられても、土へと還ります。
自然に育ったゴムの木からできる樹液より作られる天然ゴムは、これら環境問題に適合する素材であり、現状地球で起こっている課題を大きく変える新しい技術です。この技術は、今まで誰も実現する事の出来なかった天然ゴムを主体とした100%天然由良の成分で発泡素材を生成する国際特許技術です。

GENN公式サイト引用

さて、驚くべきはステップ4の「発泡化」させるという工程です。

実際にどのようなやり方を駆使しているのかまでは明らかにされていませんが、この「GENN」が開発したこのゴムは100%天然由来成分なので発泡され外気に溶け込んでも環境に優しいのです。

「GENN」さんのこの画期的な技術開発で、我々靴業界の生産過程は生まれ変わろうとしています。

何故ならこの技術のおかげで「靴」と「サステナブル」が密接になったからです。

これまで「靴」と言えば「後処理が難しいが、生活にはなくてはならないもの」として半ばあきらめのような形で見られていましたが、これからはそうではありません。

また「サステナブル」に叶った世界初の商品開発となり靴業界だけでなく全世界の産業界にも進言できる技術ではないでしょうか。

環境問題への取り組みが問題視されるファッション企業だけに、この「GENN」さんの今後の取り組みに今後も注目していきたいですね。

靴やスニーカーの環境問題とは?まとめ

これまで靴の生産が及ぼす環境問題と、今後の「サステナブル」への取り組みについて解説してきました。

我々1人1人と密接な「靴」。

その生産や後処理問題において数多くの環境問題をこの「靴」は抱えております。

「靴」が環境に与える影響は大きいだけに我々も普段から大切に「靴」を履かなければなりません。

以上お読み頂きありがとうございました。

靴の生産と環境問題

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