ストレスは非常に厄介な存在です。
我々は生きているとさまざまな人と関わり、そこでどうしてもストレスが生じてしまいます。
自分一人の世界だったらどんなに良いだろう。私の場合そんな風に思ってしまうこともしばしばです。
ストレスを抱えていない人は現代においてほぼおらず、このストレスとの向き合い方が一つ我々の人生を豊かにするための鍵になることは間違いありません。
自分の気持ちを書き出す行為のことを「エクスプレッシブライティング」と言いますが、これまではストレスを解消するためにこの手段が推奨され、嫌なことでもなんでも書き出してみるといいという提言が信じられてきました。
しかし今、この方法はとりわけ「嫌なことを書きだす」という部分においてはあまり得策ではないという意見が上がってきたのをご存知ですか?
嫌なことを書くと、例えば後でそれを読み返した時に余計に嫌な思いをしてしまうだったり、一度紙に書いてしまったことで、脳内にその嫌な内容が余計にこびりついてしまうといったことがあるからです。
ストレスとおさらばしたいと思って行っているわけなのに、かえってそのストレスを自分の中に溜め込んでしまっては意味がないですよね。
そこで今回本当に嫌なことをノートに書くことは逆効果なのか?それではどのような方法が望ましいのか?といったことを考えて記事にしてみました。
嫌なことをノートに書くと逆効果なのはなぜ?
それではまずは嫌なことをノートに書くと逆効果なのはなぜなのかについて考えてみます。
- あとで読み返したときに嫌な思いになるから
- 手元に残っているということでどこか気になってしまうから
あとで読み返したときに嫌な思いになるから
まずは後で読み返したときに嫌な思いになるというのが挙げられると思います。
エクスプレッシブライティングは気持ちを書き出すことで、自分の気持ちが整理され、スッキリすることが狙いとしてありますが、その際書かれる内容というのはどうしてもネガティブなものが多くなります。
ほとんどの人がそのネガティブな気持ちをどうにかするために、このエクスプレッシブライティングを行うことが多いからです。
しかし書いた時はいいですが、それが書かれたノートをふとしたタイミングで読み返した時、またその時の嫌な思いになってしまうといったことが結構あったりしませんか?
私も結構嫌なことをノートに書き出すんですけど、似たような経験を多くします。
またそれを読み返すまでは忘れられていたことも、また読み返したときに思い出してしまって、嫌な思いをする。
同じノートを使っているとこのような問題が起こります。
ノートを毎回新しいものにするだったり、紙切れに書くだったり、書いたら捨てるなどの方法をとればその心配はなくなるのかもしれません。
手元に残っているということでどこか気になってしまうから
またノートでもスマホでもPCでもなんでもそうですが、そのような媒体を使うと記録として残してしまうことになります。
それが常に身近にあることで、どこか気になってしまう。そのせいで忘れられない。常に気にかけてしまう。
そういった障壁も出てくるかと思います。
嫌なことを書き出すそもそもの意味はその思いを解消し、できればそこで対処法を自分の力で得る。そして明日も意気揚々と生きていけるようにする。
これが最大の目的です。
それができたのなら、できればもう二度と思い出すこともなく、そっと忘れてしまいたい。
手元に残しておくと、ずーっとそれが気になって、いつまで経っても忘れられない。
なのでやはり嫌なことはノートではなく、使い捨ての紙切れを使った方が良さそうです。
嫌なことを書き出す効果とは?
自分の気持ちを書き出すことを「エクスプレッシブライティング」と言います。
そこではどちらかというとネガティブな内容を書く機会の方が多く、またその扱い方も少し複雑です。
それが今述べてきた部分です。
しかしその扱い方は慎重に行うとして、それはそれとして、嫌なことをノートに書き出す意味はきちんとあります。
ここでは嫌なことを書き出す効果について考えていきます。
- 感情を整理できる
- 自分の気持ちへの対処法がわかる
- エクスプレッシブライティングはうつの抑制にもなる
- 書くことで忘れられる
感情を整理できる
まずは感情を整理できる点です。
自分が何か嫌だなと思ってしまうメカニズムとして、例えば誰かに酷いことを言われて、その内容に戸惑い自分の気持ちが整理できない。これまで出会ったことのない感覚に陥ってしまう。要はこうした作りになっています。
つまり今自分がどのような感情になっているのかわからない状態ですね。
それがうまく解消できないため、なんとなく段々と嫌なことが作り上げられてしまうのです。
そこをうまく見える化してあげて、自分の感情を可視化できるようになると、その嫌なことが実は嫌なことじゃなかったということがよくあるんです。
自分の気持ちへの対処法がわかる
「嫌だ」という感情には様々な感情が含まれています。
しかしその思いが戸惑いだとか、迷いだとか、不安だとか、そのどれに該当するかがわかるだけでも少しは気が楽になります。
今自分が抱えている気持ちが同時にあるため、またその内容がわからないから嫌だと思う気持ちに拍車がかかるのです。
なのでそこを明確にしてあげると少しは気持ちが楽になります。
例えば自分の思いを書き出すとして、それが実は不安な気持ちだったということが明らかになった。
次になぜ自分が不安に思うのか?その原因について考えてみる。そしてその原因がわかると、今度はその対処法を調べることができるようになる。
さらに調べてみた結果、その原因を解消する手段が見つかった。
嫌な思いを書き出そうと思った時、確かに初めは漠然とした思いから書き始めることになると思うんですけど、それを順を追って、書き出していくうちに、こうした実際の対処法や解決策がわかってくることが多いんですね。
要するに気持ちの整理がつくんです。そこですっきりとする。晴れやかな気持ちになる。
これが最大のメリットだと思うんです。
実際にノートに書き出すことで、自分一人で対処法がわかってしまう。それまでただ漠然とした塊だったものが、段々と柔らかくなって、次第になくなってしまう。
こうした結果を実際に得られることがよくあるんです。
書き始める前と後とでは、気持ちの部分が良い意味で180度変わってしまうことはザラにあります。
エクスプレッシブライティングはうつの抑制にもなる
今のべた部分が「エクスプレッシブライティング」最大のメリットであると受け止めております。
自分の頭の中のモヤモヤや嫌なこと、中にはひどく傷ついている時もあると思うのですが、そのひどく傷ついた自分を多少楽にしてあげることも可能なんです。
悲しい時や辛い時、その嫌な気持ちが自分の頭のほとんどを支配していると我々は思っております。
しかしそれだけでなく、得体のしれない感情、そういったものがその嫌な気持ちと同時に沸き起こっていて、その感情がどういったものかわからない、それもあって余計に塞ぎ込んでしまうといったことがしばしばあります。
その悲しみという周りにこびりついている余計な感情、そういったものを削ぎ落としてあげる、無くしてあげることで、自分への負荷を和らげることができます。
悲しさや戸惑いといった感情は、さまざまな感情を引き連れてきてしまいます。まるで呪いのように。
その悲しみをきちんと対処するには、こうした作業がとても重要です。
このことを知っていれば、深い悲しみに陥った時少しでも自分を楽にできるのです。
これが「エクスプレッシブライティング」が抑うつ効果にもつながると言われる理由です。
書くことで忘れられる
そして最後に嫌なことを忘れるために書く。こういった効果もあるんです。
冒頭の部分とは矛盾してしまうことにもなるのですが、書くことで覚えられる。その反面書くことで忘れられることも中には結構あるんです。
私は普段から結構なんでもノートに書き出す習慣があるんですけど、書くことでどこか安心してしまうのか、その書いた内容を忘れてしまうことが本当に多くあるんですね。
物覚えが悪いので、幼少期の頃からこの習慣を始めたんですけど、書いた内容を記憶に留めておくことがどうしても難しいのです。
幸いなことに私の場合、忘れても問題のないことばかりに囲まれておりますので、仮に忘れてしまってもそこまで問題がありません。
あとで読み返した時、あぁそういえばこんなことあったなーといって済ませてしまうのです。
私の場合、嫌なことも同じ要領で書き出すようにしているんですけど、その場合は良い方向に働くので結構このやり方は重宝しています。笑
忘れたいことを書く。
もちろんそうなれるかどうかは人によるのでしょうが、書くことで忘れる。
これまでにはそのような提唱は結構あったと記憶していて、あながち間違っていない検証なのではないかと踏んでいます。
嫌なことノートに書く内容とは?
それでは嫌なことノートに書く内容について、ここでは私の場合を例に見てみましょう。
- 嫌いな人に関して
- 実際にあった嫌な事があった場所やシチュエーション
- 今抱えている不安やストレス
- それをどうしたいか
- その対処法
嫌いな人に関して
私の場合、まずは人物を登場させます。嫌な思いをさせた原因になる人に関することですね。
しかも名前まで正確に書きます。私の場合は笑
それに抵抗がある人はA氏とかでもいいと思います。後で自分で読み返したときにそれが誰なのか分かればどんな形式でもいいと思います。
実際にあった嫌な事があった場所やシチュエーション
また嫌なことが実際に起きた場所、そのシチュエーションとかも明記します。
例えば「今日は会社のミーティングの時間に〜」とか「今日は学校の休み時間の間に〜」とかですね。
今抱えている不安やストレス
そして自分がそのことに対してどう思っているのか、どのような気持ちでいるのか、その思いを書いていきます。
別に明確でくて構いません。
うざいとか、これが嫌だったとか、ムカつくとか、抽象的な表現で問題ありません。
それをどうしたいか
そしてその事象をどうしたいかも書くようにします。
例えば「今日は会社のミーティングの時間に部長に自分に非がない部分でひどく叱られた。ムカつく。できればもう部長に会いたくない。仕事を辞めたい。」
こんな感じでしょうか。
その対処法
そして最後にそれを実現するにはどうすればいいのかを書きます。
例えば「今日は会社のミーティングの時間に部長に自分に非がない部分でひどく叱られた。ムカつく。できればもう部長に会いたくない。仕事を辞めたい。明日人事課の人に相談して、部署移動をお願いしてみよう。それでもダメなら1月いっぱいで退職しよう」
ここまで書き切ることで、書く前に抱いていた嫌な気持ちが、嫌な気持ちではなくなるのです。
今あげた例はかなり極端な例となり、毎回このような思い切った対処法をとれるわけではありませんが、順を追って書き出していくことで、その場その場にあった、それまで気づかなかった細やかな対処法というものにも出会えるはずです。
こうして書く前と書いた後では、気分は多少は晴れやかになるのです。
嫌なことノートに採用すべき媒体
それでは最後に今回の嫌なことを書くとして、それを書く媒体はどのようなものがいいのかについて考えて終わりたいと思います。
- 手書きノート
- PCやブログ
- スマホアプリ
手書きノート
まずはノートです。ノートでなくとも普通のA4のコピー用紙とかでもいいと思います。
紙の良いところは、書いたここちがきちんと手元に残ること。書いたという実感を持てることにあります。
紙に書くという行いを最近みなさんやった記憶がありますか?
紙に書く感覚ってなかなか気持ちの良いものだと思いませんか?
まず書いているあの音が好きだし、きちんと自分でペンを握るという感覚も捨てがたい。
またその指圧によって書くインクの薄さや濃さが決まります。
例えば辛い時や悲しい時というのはどうしても細字になってしまったりですね、怒っている時は逆に太字に雑な字になったり、そういった「実際に自分の命が投影された作品」、これが要するに紙に字を書くということなんです。
鉛筆やボールペン、紙の種類によってもその出来上がりは違ってくるし、紙に書くことで多くの出会いがあるのです。
そんな経験をおそらく多くの方が最近疎遠になっているのではないでしょうか?
紙に書くことで多くの出会いがあり、そのおかげで多くの気持ちにも出会うことができます。
ストレスを抱え込んでいる時というのは、一つの嫌な気持ちに支配されているので、新しい風を吹き込むという意味でもこの紙に書く行為は効果的だと思います。
PCやブログ
紙だけでなく、PCやその際のブログ運営がおすすめです。
PCを持っていないという人はスマホでも一応ブログを開設できますので心配はいりません。
ただPCはタイピングとなりますので、あの打ち込む感覚が好きな人にはPCがおすすめというだけの話です。
さて、ブログについてです。ブログは基本的にどんな内容でも掲出できます。
本人の個人的な内容や日記がわりにこのブログを運営しても全く問題はありません。そこで嫌なことを書いてもネガティブなことを好きなだけかけます。
しかも紙媒体となると基本的にはそれを他人にシェアすることは叶いませんが、ブログであれば書いた内容はインターネット上(正確にはサーバー上)に記録されるので、全国のユーザーに自分の思いをシェアできる点もおすすめです。
今日嫌なことがあって、それを誰かに聞いてもらいたい、見てもらいたい。そういった気持ちになる時ってありますよね。
Xやインスタグラムでも同じことが行えますが、ブログであればより長文での投稿が自由にできます。
しかもこのブログの最大のメリットは、そんな日記を書く場合であっても広告を貼ることができるという点です。
仮にあなたが書いたその個人的な記事に多くの人が共感し、多くの閲覧数を稼ぐことができればそこから収益を得ることができるのです。あなたは今日あった嫌なことを書くだけでいいのです。
嫌なことをお金に変えられる、こういったこともブログであれば可能になるのです。
それを可能にしているのが少しテクニカルな話となりますが「アドセンス」プログラムというものです。
このアドセンスは自分の記事に広告を貼り、その記事を見にきたユーザーに広告が表示されるだけで収益がもたらされる仕組みです。
つまり記事を見られれば収益がもたらされる仕組みとなっているのです。
しかも誰でも自分のブログさえあればこの仕組みを実装できるようになっています。
普段の嫌なことをお金に変えられたらどんなに良いことでしょう。もはやそれって嫌なことじゃなくなるってわけです。
ぜひそういった願望のある人はこのブログを開設して今回の嫌なことをシェアしてみるといいでしょう。
以下の記事を参考にしてもらえれば10分とかからずに自分のブログを開設できちゃいますよ。
スマホアプリ
便利な点で言うと、スマホのアプリもおすすめです。
スマホなので簡単にいつでも自分の好きなことを執筆が可能です。
またその書いたものをシェアすることもでき、今述べてきたブログ機能がついているツールも最近では多くあります。
例えば代表的なところで言うと「note」がそうですね。
noteは汎用性が抜群で、さまざまな用途に対応します。
例えば今回の個人的な日記感覚の運営とも相性がいいですし、本格的なブログ運営においてもこのnoteで賄えてしまうほど利便性が備わっております。
他にも、
- シンプル日記
- 箇条書き日記アプリ -ReDiary-
- エモ日記
- 無地日記
などなど非常に多くの種類の日記アプリがリリースされております。
今回のテーマである「嫌なこと」。なかなか人には見せられないし、オンラインで行うのも少しはばかれる気がする。
そんな時にアプリであれば、インターネットに登録されない運用も可能ですし、オフラインの時とかでも使用できる利便性もあったりします。
ぜひこうしたスマホのアプリも使ってみるといいと思います。
嫌なことノート 逆効果に関する質問
- 書くことでストレス発散できますか?
-
できます。本記事でもその理由について解説してきました。書くというのは要するに自分の思いを書くということです。絵本でもフィクションでもポジティブな内容だろうが、ネガティブな内容であろうがそこに違いはありません。例えばフィクションを書くにしても要するに自分の脳内にあるその架空の「思い」を紙面に書き出しているに過ぎません。つまり書くことというのは自分の思いを書くということ、そして書くことによってそれが可視化でき、自分の思いを整理することができます。その思いが整理されることで、思考経路がスムーズになり、脳内のキャパシティに余裕を持たせることができます。つまり「すっきり」、明瞭になるわけです。これがいわゆるストレス軽減につながるんですね。思考整理=ストレス発散が可能なんです。思考を整理しようと思った時、自分の脳内だけで解決しようと思ってもなかなかうまくいきません。書き出すことでモヤモヤした感情が初めて見えるようになり、思考整理が可能になるのです。ストレスを溜め込んでしまいそうな時は率先してこの書くことを行うと良いと思います。
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