小中学生は卒業文集を書かなければいけません。
小学生であれば小学6年の時。中学生であれば中学3年生の時。この卒業文集はいわば学生生活の集大成を綴ったものとなりますので、学校側からもその内容をある意味厳しくみられるし、親御さんも期待してその内容を楽しみにしていることでしょう。
無論誰か他の生徒の内容をそのまま丸写しなどといったことをすれば、すぐさまばれて大人の期待を大きく裏切ってしまうことになります。
一生に一度の作品となるわけですし、自分のためにもそういったことは避けるようにしましょう。
ただなぜそのようなことをする一部生徒がいるのか?というと、この卒業文集というのはそれまでに経験したことない長文構成で、自分のこれまでの学生生活の総括となるため書くべき内容に困り、完成させるのが難しいからです。
私も過去に2度ほどこの「卒業文集」を執筆しましたが、どれも結構苦労しました・・・泣
その際ただ思いつきで書くこともできず、ある程度の文章力や構想が必要となるため、他の人の真似をしてしまおうと思ってしまうわけですね。
自分をアピールするのが上手な生徒であれば、スラスラ書くことができますが、皆が皆そうではありません。
この卒業文集を書くにあたって、いったいどういうものを書くべきなのか?どういった構成にするべきなのか?ほとんどの生徒がまず初めに躊躇してしまうことでしょう。
中でも小学生は初めての卒業文集となりますので、不安に思われる方はきっと多いはずです。
そこで今回webライティング能力検定1級を保持する筆者が卒業文集の書き方について簡単にお伝えしていきます。
読みやすくまとめているので、これから文章を書き始めようと思っていた生徒さんはぜひこの記事を一読してから書き始めてみてくださいね。
また本記事以外にも卒業文集に関する別記事を持っておりますので、合わせて参考にしてみてください。
なんで卒業文集のパクリはNGなの?丸写ししたらどうなる?
なぜ卒業文集のパクリがNGなのか?その理由についてからお伝えしていきたいと思います。
- 一生に一度の作品。自分自身のためにもパクリはやめましょう
- それを読む担任の先生は全ての作品に目を通しています。
- 親御さんも期待して「あなたの言葉」を待っています。
一生に一度の作品。自分自身のためにもパクリはやめましょう
まず卒業文集というのは生徒が思っている以上に「神聖なもの」です。
学生の間はなかなかこのことに気づくことが難しいのですが、そんじゃそこらの「書き物」とは訳が違います。
なぜなら一生残るものだからです。
現に筆者は30代半ばとなりますが、これまでに何度もその卒業文集を再読する機会がありました。
例えばお付き合いした女性に「読ませて!」と言われて仕方なく読ませたり、あるいは家族の集まりでいきなり親が持ってきたり。
その頻度も1回や2回とかじゃなくて結構あって、案外読まれることが多いのだと思いました。
そんな時どんなに不細工な文章でも当時の自分がきちんと考えて、必死に書いたものだから恥ずかしい思いはあるものの、後ろめたさは感じなくて済みます。
それがもし誰かのパクリの作品だったとしたら、どこか自分を裏切ってしまったようなとてもやりきれない思いをしてしまうはずです。
卒業文集は本当にあなたが思っている以上に、読まれる機会の多いものです。
その度に嫌な思いをしなくて済むように誰かの作品をパクってしまうようなことは避けるべきです。
それを読む担任の先生は全ての作品に目を通しています。
また卒業文集を提出する際、担任の先生の目を必ず通ることになることもしっかりと認識しておきましょう。
もし誰かの作品を丸写ししたものを提出するとなると、先生はどの生徒の作品にも必ず目を通しておりますから、そこで指導注意が入ること可能性が大いにあります。
それで再提出を余儀なくされて、余計に苦しむのは自分です。
担任の先生からの印象も悪くなることでしょう。
どんなに拙くても、苦しくても自分の言葉で書く。
これが他でもない1つの評価基準なのです。
親御さんも期待して「あなたの言葉」を待っています。
何よりあなたの卒業文集をあなたの親御さんがどれほど楽しみにしているか知っていますか?
これまで毎日あなたのために朝早く起き、働き、食事の世話、部活動の送り迎え、学校内行事、本当に苦労して育てられた親御さん。
そんな親御さんがあなたが最後にどう感じながら学校生活を締めくくるのか?そういったことを非常に楽しみにしてあなたの言葉を待っているのです。
これまで本当に苦労して育てくれたあなたの両親に報いるためにも自分の言葉で卒業文集は書かなければなりません。
それがもし誰かの作品の丸写しだと知ったら、親御さんはどんなにショックを受けてしまうことでしょう。
それこそ恩を仇で返してしまうようなものです。
楽したい気持ちはわかりますが、最後の卒業文集くらいはせめて自分の言葉で書くようにしましょう。
卒業文集に書くことがない、何を書けばいい?
卒業文集を自分で書こうと思ってもなかなか書き始めるのは難しいと思います。
卒業文集には「テーマ」が必要となります。
またテーマが決まればスラスラ書けるか?と言われればそうでもなく、どのような視点を持つか?も重要となります。
ここではそんな卒業文集における基本についてお伝えします。
前準備としてご活用してください。
卒業文集、感動の例文について
まずは簡単に例文からお見せしますね。
6年間の小学校生活を振り返ると、たくさんの思い出が頭に浮かびます。入学当初はランドセルが重くて泣いたり、給食の牛乳が苦手で飲めなかったり、小さなことばかりです。しかし、そんな日々を乗り越え、今ではすっかり成長したと感じています。
小学校で最も大切な思い出は、やはり友達との関わりです。一緒に遊んだり、勉強したり、ケンカしたり、時には泣いたり笑ったり、様々な経験を通して、かけがえのない絆を築きました。特に印象深いのは、運動会の練習で何度も転んでしまった時、友達が励ましてくれたことです。そのおかげで最後まで諦めずに走りきることができ、大きな達成感を得ることができました。
最初は苦手だった算数も、先生や友達の助けを借りながら、少しずつ理解できるようになりました。特に分数の単元では、難しい問題を解けた時の喜びは格別でした。また、国語の授業では、物語の世界に夢中になり、想像力を膨らませることができました。このように、小学校での学びを通して、様々な知識や経験を積み重ねることができたと思います。
高学年になると、委員会活動や班長などの役職を務める機会が増えました。最初は責任を感じて緊張しましたが、仲間と協力しながら目標を達成していく経験を通して、責任感や協調性を身につけることができました。特に、運動会の準備では、リーダーとしてみんなをまとめ、成功させることに大きなやりがいを感じました。
小学校生活を通して、様々な経験を積み重ね、大きく成長することができたと思います。これからも、この経験を活かして、目標に向かって努力していきたいです。将来は、医師になって、困っている人を助けたいという夢があります。そのためには、中学校でも勉強を頑張り、夢に向かって一歩ずつ進んでいきたいと思います。
ここまで成長できたのも、支えてくれた家族や先生、友達のおかげです。いつも温かく見守ってくれた家族、熱心に指導してくれた先生、励まし合ってきた友達に、心から感謝しています。これからも、周りの人々に感謝の気持ちを忘れずに、成長していきたいと思います。
小学校生活は、私にとってかけがえのない宝物です。この経験を胸に、これからも努力を続け、夢に向かって進んでいきたいと思います。
今回ご用意した例文は小学生向けのものとなりますが、小学生における卒業文集の文字数は大体600~800字程度だと言われております。
今回は650文字ほどですが、このくらいの作品であれば十分及第点とされるでしょう。
卒業文集の基本
それでは例文を押さえたところで次に卒業文集に関する基本を押さえておきましょう。
主にこの卒業文集というのは小学生、中学生が書くものですが、男女別に扱うテーマについて調べてみると、↓のような統計が取れました。
書く内容で多いもの(男子) | 書く内容で多いもの(女子) |
---|---|
修学旅行など学校での思い出 | 修学旅行など学校での思い出 |
友人や先生との関係 | 成長したと思うこと |
個人的な成長 | 1番の思い出 |
将来の夢 | よくがんばったと思うこと |
やはり男女ともに「修学旅行などの遠足や行事の思い出」に関する記述をする生徒が多いようですね。
確かにわたしも卒業文集では各年代における修学旅行の思い出や遠足の思い出などを記しました。
やはり学校生活で生徒にとって一番面白いのはこの修学旅行や遠足ですからね。
特に小学の3.4年生で初めて経験する「お泊まり」の経験はとてもワクワクしたのを覚えております。
思い出がなく、書けないときは?
卒業文集では基本的に思い出を書くことが多いです。
しかし中には修学旅行や遠足に行けなくて、そういった思い出がまるでないという学生も一部いると思います。
先ほどのグラフにあったように、卒業文集では何も必ずしも楽しかった思い出を書かなくてはいけないなんてことはありません。
そんな時には以下で記しているような「視点」を持つと、卒業文集に書くべき内容が決まったりします。
卒業文集では何を書いてもいいのです。
その時々で自分が思っていたこと、自分が置かれた心境を素直に書いていけば良い作品になるし、あとで読み返した時に後悔しない作品となるはずです。
日常の普段の小さな出来事に焦点を当てる
例えばあなたが普段から行っている日常的な活動はありませんか?部活動でもいいですし、クラスで任された担当などでもいいです。
花に水をあげる係であれば、その活動内容がどういったものなのかを書いてみるというのはどうでしょう?
大人になって振り返った時に、当時の自分は花に水をあげる係をしていたんだなと思い返すことができます。しかもかえって大掛かりな話題ではなく、日常の些細な例えば今回でいえば花への水やりだったり、金魚の餌やりだったり、日常の一コマを舞台にした内容の方が後々読み返したときに面白かったりします。
本記事の論点とは少しずれますが「日常のコンテンツ」は人々の関心が集まりやすいのです。
また案外そういうことって忘れてしまいますからね。そういった些細なことでも書いておくと後で大人になった時に思い出せたり、楽しめたりすると思います。
自分の成長や変化について書く
またあなたが学生時代に成長できたことや克服できたことはありませんか?
それがあって、それを主の内容にすることで自分も納得のいく文集になるはずです。
その際どんな些細なことでもいいのです。
例えば牛乳が飲めなかったのに、飲めるようになっただったり、水泳で25m泳げるようになっただったり、かけっこ少しが早くなっただったり。
人間の成長はやはり読んでいて気持ちの良いものですよね。
それが仮にどんなに小さいことでも、どんなに幼い子供の体験であっても。
感謝の気持ちを表す
また感謝の気持ちを文集に書いてみてもいいと思います。
クラスメートの誰かに対してでもいいし、バスの運転手さんや、先生、お母さん、おばあちゃん。
あるいは自分に水やりの仕事を与えてくれた花や、クラスで飼っているアヒル、ハムスター、そういった人以外のものにも感謝の気持ちは示せるし、そういった感謝の気持ちを記してみるとこれがまた良い文集になります。
なぜなら「感謝」の気持ちほど、人間活動において尊く素晴らしい感情はないからです。
感謝ができるということは、それだけで豊かな人間の証拠だからです。
そのことを周りの大人たちも知っているので、そういった内容を書くことで両親を喜ばせることができるかもしれませんよ。
趣味や興味について書く
また学校以外の生活であなたが行っていたこと、頑張っていたことがあればそういったことを書いてみても面白いです。
例えば塾や公文式、そろばんなどの習い事や、サッカークラブ。
また演劇の鑑賞や舞台の鑑賞など他の生徒とは違った経験があるのであれば、そういったことも積極的に書いていきましょう。
人間一人一人、それぞれ違う性格をしているわけで、それぞれ生活のスタイルも異なります。
それは幼い小学生であっても同じです。
他の生徒はもちろん、父兄や将来の自分も、一つの興味として当時のあなたが何に夢中になっていたかをきっと知りたいはずですよ。
未来の夢や希望に焦点を当てる
そしてやはりというべきか、卒業文集においては将来のやりたいこと、将来の希望を記すことはとっても重要です。
というのももしかしたらその文集が将来の悩んでいる自分を助けるかもしれません。
幼い頃に抱いていた夢というのは「本物の夢」です。
例えばサッカー選手や、お笑い芸人、消防士やキャビンアテンダント。
人生で初めて抱く夢というのは、大切にした方がいいです。
それを失ってしまったら人生本当につまらなくなってしまいますからね。
また将来大人になった時、そして道に迷っている時、今からあなたが書こうとしている文集がその未来の自分を助ける材料となるかもしれません。
卒業文集では自分という人間が人生に対して、社会に対してどういったことを期待しているのか、そういったことも再認識できます。
そして自分は何を行うことで幸せになれるのか?そういったこともこの卒業文集を通して再認識できるのです。
小学生はどういったものを書くべき?
今申し上げてきた中で特に小学生においては、それこそ修学旅行のことを書いてもいいですし、日常の些細な活動、部活動、友達との思い出話などを書くといいと思います。
また小学生のうちは基本的に何を書いても自由です。
難しいことは抜きにして、楽しかったこと、辛かったこと、思い出に残っていることなど素直に書き連ねてみましょう。
とはいえパクリはNGです。
自分の言葉でなんとか頑張って書いてみましょう。
中学生はどういったものを書くべき?
一方で中学生はというと、小学生以上には他の人の目を気にする必要はあります。もちろんパクリなど言語道断です。
中学生は小学生に比べて文法や国語のスキルなどが高いです。
なのである程度きちんとした文章を書けないと、不自然に思われたりします。
ただ自分の好きなことだけを書き連ねるのではなく、「なぜ自分はそう思ったのか?」「そう思ってどうしたのか?どうしたいのか?」一時的な情報だけでなく、そういった二次的な情報も加えるようにしましょう。
そうすることで文章に厚みがまし、立体的な読み応えのある文章にすることができます。それを行うことで、仮に文法や語彙が多少間違っていたとしても、手の込んだ良い作品だと認定されることができます。
平面的な文章ではなく、立体的な文章を。中学生はこのことを意識して、卒業文集を書いていくようにしましょう。
パクらなくても卒業文集を書けるようになるためには?
それでは最後にパクらずに卒業文集をスラスラ書く秘訣について2点ほどお伝えして終わりたいと思います。
- 自分だけの体験談を織り交ぜる
- 自分の感想を盛り込む
自分だけの体験談を織り交ぜる
卒業文集で書くことがなく困ってしまう。だから誰か他人の作品をパクってしまう。実はこれを解消する方法は非常に簡単なのです。
それは自分の体験談を織り交ぜればいいからです。
でも自分の体験談なんか入れたところ果たして本当に面白いのか?評価されるのか?なんて思う必要はありません。
内容はともかく、あなたの体験談はあなたにしか書けません。
それって面白いとか、良い文章とか、そういう以前の実に尊いものなんですね。
その体験を通じてあなたの感じたこと、あなたがそもそも行ったこと。これって「この世に1つしかないコンテンツ」なんです。
それを卒業文集に書く。それでいいんです。むしろ卒業文集はそうあるべきなんです。
そしてそれは確実に評価に繋がります。
むしろ体裁のいい文章、ましてや誰かのパクリ文章など誰も期待していないしやってはいけないんですね。
この体験談であればあなたもスラスラ書くことができるはずですし、決して誰かと被る内容になることもありません。
例えば小学3年生の時に家族でいった旅行が楽しかった。そういったことでも全然いいのです。
ぜひこのことを参考に書くことに困ったらあなたの学校生活を通して行った体験談を書くようにしましょう。
自分の感想を盛り込む
体験談が難しいと思っている人も中にはいると思います。
先ほどの例で言えばどの家庭でも必ず家族旅行に行くとは限りませんからね。
そういった時は学校内の行事に目を向けて同じように体験談を書いてみるか、あるいは仮に特筆すべき体験談がなければ特定のトピックに対する自分の感想を書いてみると良いでしょう。
例えば時事問題に対する自分の意見だとか。現在大谷翔平選手が海外で大いに活躍をされておりますが、そのことに関して自分の感想を書いてみるだとか、世界情勢のことで自分が思っていることを書いてみるだとか。
そのように自分の興味のあることに自分の感想を加えた文章でも立派な卒業文集のネタになります。
周りの人からすれば「A君はこういったことに興味があるんだなぁ」と感心を示すことができるし、周りの生徒にとってもそれが一つの刺激になるかもしれません。
あとで自分の文集を読み返したときも当時の自分が思っていたことを再認識することができるので、それはそれで有意義な体験なのです。
卒業文集パクリに関する疑問
- 卒業文集の著作権は?
-
著作権は適用されます。その生徒の作品をどこか別の媒体に転載する場合はきちんとその生徒に許可を取るようにしましょう。
- 卒業文集に歌詞を引用してもいいですか?
-
今までこの歌詞を文集に引用する生徒には出会ったことがありません。またいくら営利的な目的とされない卒業文集にあっても著作権の問題もあり、転載しないことがやはり望ましいのではないかと思います。
- 卒業文集は何月から書き始める?
-
実際に卒業文集の執筆の依頼を生徒にし始めるのは9月〜10月の間だと言われております。なので不安な方は告知と同時に準備を始めるのがいいし、どんなに自信のある人でも遅くても12月くらいには始められるようにしましょう。
卒業文集は人生でたったの一度!パクったらきっと後悔する?
以上のことからいかにパクリの文集が不名誉なものか、ある程度お分かりいただけたかと思います。
卒業文集は自分が思っている以上に貴重な作品です。
あなたの作品を期待しているのは親御さんや担任の先生だけでなく、同じクラスの生徒もあなたの文集を楽しみにしているかもしれません。
それなのに同じ内容が1つの文集にあるとなると、それは非常に目につくし、逆の意味で印象に残ってしまいます。
そのようなことが発覚した場合には特に親御さんはがっかりされるはずですから、なるべくなら他人の作品をパクるようなことは避けるべきです。
何よりパクられた方も良い気持ちはしませんし、あなたとの友好関係にも溝ができてしまうかもしれませんよ。
ぜひこのことを念頭に置きつつも、今回本記事でお伝えしている内容を踏まえてもらえれば誰でもスラスラと卒業文集が書けるはずです。
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