最近「エシカル」というキーワードがよく聞かれるようになりました。
あなたは今話題となっている「エシカル」について正しい知識をもっていますか?
「サステナブル」が世間をにぎわせるようになり、「持続可能な社会を実現しよう」という動きが全世界で広がっています。
そして今回取り上げる「エシカル」も持続可能な社会の為に必要な考え方です。
この「エシカル」が騒がれるようになった背景には深い問題があるという事まで知らない方は多いと思います。
今回取り上げる「エシカル」について正しい知識を身に着け、今日本だけでなく、世界を賑わす持続可能な生き方を実践しましょう。
それでは早速参りたいと思います♪
エシカルとは?
「エシカル」(ethical)とは、「倫理的な」という意味を持つ英語で、それをそのままカタカナにしたものです。
最近この「エシカル」という単語、耳にする機会が本当に増えましたよね。
僕もこれまで耳にしたことがなかったのですが、ある時テレビで取り上げらていてその意義を知ることができました。
「エシカル」って、どこかキレイなイメージがあって、僕はオーガニック野菜に囲まれた牧場のような場所で暮らす人々の事を想像してしまいます!笑
この「エシカル」というのはつまり、「法的な束縛はないが、人間の倫理に従ってアクションを起こしていく」という意味になります。
特に最近は、環境保全や地域・社会への考慮といったニュアンスで捉えられることが多くなりました。
「サステナブル」と同様我々人間の重要な共通意識として例えられるようになり、持続可能な社会に向けてこの「エシカル」も重要なキーワードとなります。
また人間の倫理に基づいて行動することを「エシカル」アクションと言いますが、この「エシカル」アクションによって我々の生活に「ある恩恵」が与えられるます。
その「ある恩恵」というのは、人間の倫理に沿った「エシカルアクション」を行う事によって、
貧困や人権問題、気候変動といった社会問題を解決することができるのです。
どういう意味か分からないという方が多いと思います。
例えば、「エシカルアクション」の代表例として「エシカル消費」というものがあります。
次の章で詳しく見ていきましょう。
エシカル消費とは
「エシカル消費」とは、「人間の倫理に沿った買い物をしましょう」というものです。
エシカル消費を定義付ける理念としては、主に次のようなものがあります。
- 社会の悪を助長しない(児童労働、超過労働、労働金搾取に関与しない)
- 社会の善を促進する(買い物を通して補助を必要とする人を助ける)
- 自然環境を損なわない(過剰な木々の伐採、動物性皮革を使用しない)
- 地域社会に貢献する(地元野菜を買う、ふるさと納税)
つまり我々消費者がこの理念に基づき買い物をすることで、社会の抱える問題を解決していこうというのがこの「エシカル消費」です。
我々人間は、みんな「消費者」です。
「食べ物」だったり、「衣類」、「日用品」を購入しなければ生きていくことができない為、「消費することが生きていくこと」と言っても過言ではありません。
日々、世界で行われている消費活動は莫大な規模となります。
また昨今「貧困」や「人権問題」、「環境破壊問題」といったものが世界で問題視されております。
そこで世界が抱える様々な社会問題を、我々ひとりひとりの消費活動をもって解決していこうといういうのがこの「エシカル消費」です。
我々は今まで夏場に着るTシャツや、休日に飲むコーヒーなど、普段の生活においてただ欲しいまま、気の赴くままに「消費活動」を行っておりました。
しかし今後その「消費活動」で、この商品が「いつ、どこで、誰が、どうやって」作られたものなのか、という意識を持つだけでそれは立派な「エシカル消費」に変わります。
私たちが普段購入している物の生産背景を知り、生産者の労働力を搾取しないものを買ったり、環境に優しいものを買ったりするという行動を取ることで、その消費が社会問題の解決への貢献となるわけです。
「エシカル消費」とは、毎日何げ気なく行なっている消費活動において少し視野を広げれば行う事が出来る「エシカルアクション」です。
誰しもが最もシンプルかつ、無理せず行えるアクションであり、今日から取り組めるということがこの「エシカル消費」の魅力でもあります。
エシカル消費の背景
続いてここで、「エシカル消費」が広まった背景を見ていきたいと思います。
今まで我々は普段の買い物において、その商品が「いつ、どこで、どのように作られたか」という事を考えてきませんでした。
しかしその商品がもし、「不正な労働搾取」や「児童労働」、「環境破壊」といった問題の上で成り立っている商品だったとしたら?
我々はその商品を購入し、気付かない間にもそういった問題に加担していた可能性があります。
知らなかったからとはいえ、結果的にこの問題を助長していたかもしれないのです。
我々の普段の消費の裏側には沢山の問題が付きまとっております。
今まで意識して見てこなかった「フェアトレード(公正な取引)」の表示や「アニマルフリー(動物性材料ではないこと)」の表示、「持続可能な森林認証」の表示があるかなどを見極めて買い物することでこの問題を解消していくことができます。
また我々の消費活動力というのは世界に絶大な影響を与えております。
世界は現在、「地球環境問題」や「人権問題」、「労働環境問題」など様々な問題を抱えております。
この問題を全て解決しなければ「持続可能な社会」を実現することができません。
(持続可能な社会について詳しく知りたい方は「SDGs」の意味とは?概要や取り組みについてどこよりも分かりやすく解説します!をご覧ください。)
しかし、今挙げた問題は果たして今すぐに解決できるような問題でしょうか?
人間が過去から今まで繰り返した環境破壊のツケはそう簡単に解決できるものでもありませんし、破壊されたオゾンが1960年レベルに戻るのは21世紀末になると予測されています。
それに今こうしている間にも木々は伐採され続けており、地球上の海には沢山のプラスチックゴミが分解されず漂い続けております。
また人権問題に関しても、固定概念のない小さい子供であれば柔軟にこの問題と向き合えるかもしれませんが、そうではない我々大人の根底に根付く意識を変えるというのも正直難しい問題でしょう。
しかし、我々ひとりひとりがこの「エシカル消費」を通して日常で無理なく取り組むことで、このような今すぐに改善できない問題であっても必ず良い方向に向かわせることができます。
全世界の規模で「エシカル消費」を行っていくこと、それが最善かつ、最短の問題解決への糸口となります。
エシカル消費の具体例
「エシカル消費」の重要性を理解していただいた所で、ここでは具体的な「エシカル消費」の例を見ていきましょう。
エシカル消費の心
「エシカル消費」とはその商品が「どこで、どのように、誰によってつくられたか」を考えて消費活動を行うという事を前述しました。
ここでまず触れておきたいのが「エシカル消費」にはある「心」があります。
日本には、「エシカル」という言葉が根付くずっと前から大切にされてきた
「おたがいさま」、「おかげさま」、「もったいない」、「足るを知る」
という言葉があります。
「どこで、どのように、誰によって作られたか」を意識し、「フェアトレード、持続可能な森林認証、アニマルフリー」などの表示を意識する事も大事ですが、
それらを踏まえる前にこの「おたがいさま、おかげさま、もったいない」という他人をいたわり、いま目のまえに与えられる物に感謝するという日本人が今まで大切にしてきた「精神」を今一度呼び起こすこと。
それが「エシカル消費」を行っていく上では忘れてはならない大切な「心」です。
ジャンルごとのエシカル消費例
「エシカル消費」を行う上で、どのような消費が「エシカル消費」に当たるのか分からないという方は多いと思います。
ここでは次の
- 環境に配慮された消費
- 人社会に配慮された消費
の2つのジャンルでどういった商品があるのか具体的に見ていきます。
環境に配慮された消費
- エコマーク付き商品(ダスキンモップエコ、サーモスステンレスボトル)
- 自然エネルギー利用した商品(太陽発電電池、風力発電機)
- 持続可能な森林認証商品(かどまる、ネピア)
人社会に配慮された消費
- フェアトレード商品(マウントハーゲンコーヒー、セブンイレブンハイカカオチョコレート)
- 障害をかかえた方が作った商品(吉祥寺にあるセレクトショップ「マジェルカ」)
- 社会的責任投資(ESG投資)
エシカル消費に関してジャンルごとにどのような商品、またはサービスがあるのか簡単にご覧いただきました。
今紹介した物の中には我々の日常でも普段目にしているものもありましたよね!
こういった商品を購入することは生産者の雇用や人権問題だけでなく、環境問題解決にも繋がります。
吉祥寺にあるセレクトショップ「マジェルカ」について知りたい方はこちらをご覧ください。
この「マジェルカ」さんで取り扱う商品の多くは障害をかかえた方によって作られた商品です。
ESG投資について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ESG投資とは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの観点から行う投資の事です。
みんなどのくらい「エシカル消費」を知っているか
ここにエシカル消費について、株式会社電通が発表した「エシカル消費 意識調査2020」というアンケートがあります。
この調査は日本全国、10代から70代の男女1000人を対象に行われたものです。
この調査で、「エシカル消費」を知っていますか?という問いに対して、「意味まできちんと知っている」と答えた方は全体の5%、「名前は知っている」と答えた方は18%、「全く知らない」と答えた方は76%でした。
まだまだ国内の「エシカル消費」認知度は低く、課題が浮き彫りとなった結果となりました。
またその中で「エシカル消費」を行ったことがある方で、どのカテゴリーによる購入経験が多いのかという調査も行われました。
その調査では1位が「食品」、2位が「日用品」、3位が「衣料品」、4位が「家電」、5位が「化粧品や美容品」という結果になりました。
そしてこのアンケートでは、何故「エシカル消費」を行わないのか?という問いに、「知識がないから」や、「どれがエシカル商品かわからない」、「価格が高いから」といった理由もあげられました。
エシカル消費が生み出す可能性
最後にここで、「エシカル消費」が生み出す可能性について触れてみたいと思います。
エシカル消費は「どこで、どのように、誰によって作られた」を考え、「フェアトレード認証、持続可能な森林認証、アニマルフリー認証」などの表示を意識し、普段の買い物を行っていくことです。
例えば「フェアトレード認証」による、公正な取引の元作られたチョコレートやコーヒーを購入することで、貧困に苦しむ国と地域の持続可能な発展に向け貢献が期待できます。
また、「持続可能な森林認証」された商品を購入することで豊かな森林の自然環境が守られ、先住民族の権利を尊重する事にも繋がります。
そして主に「ファッション産業」においてはこれまでに多くの動物たちの命が人間のブランドバッグや高級コートの為に犠牲となってきました。
(よろしければこちらの超重要!拡大する「サステナブル」の基礎と施策を4つのポイントに分けて解説をご覧ください。)
動物たちの毛皮を傷付けないために、窒息させたり首の骨を折ったりなど、とても残酷な方法で殺され、我々が普段着るファッションアイテムが作られます。
これまでのように動物の命を奪って皮革を取り続けていると、その動物は減少し、いつか絶滅してしまう可能性もあります。
しかしアニマルフリーの商品を購入することによって動物たちの命は守られるのです。
我々が普段「どこで、どのように、誰によって作られたか」を考えて買い物をすることによってこんなにも多くの恩恵を世界中に与えること出来るし、持続可能な未来に貢献することができます。
エシカル消費について考える際、生じる疑問
- エシカルとサステナブルの違いは何ですか?
-
「エシカル」とは、人や社会、地球環境、地域に配慮した良識的な考え方や取り組みを行うこと。 「サステナブル」とは、人間の活動が地球環境などに負荷をかけずに、将来にわたって良い社会と自然環境を維持していくことを目指した取り組みのこと。
- エシカル消費をするためにどうすればよいですか?
-
エシカル消費を実践するためには、以下の方法があります:
- 製品やブランドの倫理的な側面を調査する:製品の製造プロセスや原材料の調達などを調べて、倫理的な企業やブランドを選ぶことが大切です。
- 持続可能なオプションを優先する:リサイクル可能な製品や再生可能エネルギーを使用する企業の製品を選択します。
- フェアトレード製品を支援する:農産物や手工芸品などのフェアトレード製品を購入することで、生産者への公正な対価を支援します。
- エシカル消費はなぜ重要ですか?
-
エシカル消費は、持続可能な社会や環境を促進し、社会的な問題への対応に貢献するために重要です。倫理的な消費行動は、企業による社会や環境への負担を軽減し、社会的な不平等や環境汚染の削減に寄与します。
- エシカル消費が個人に与える影響は何ですか?
-
エシカル消費は個人にさまざまな影響を与えます。一つは、個人の意識や行動に対して良い影響を与えることです。また、エシカルな選択は企業や市場に対しても変化を促す要因となります。倫理的な消費の増加は、企業に対して社会的責任を果たすことや持続可能なプラクティスの導入を奨励します。
- エシカル消費には課題や制約がありますか?
-
はい、エシカル消費にはいくつかの課題や制約があります。一つは情報の欠如です。製品の倫理的な側面についての情報が不十分な場合があり、消費者が適切な選択をすることが難しくなります。また、エシカルな製品が高価な場合もあり、経済的な制約がある場合には手が届きにくいことがあります。しかし、消費者の意識が高まるにつれて、これらの課題に対する取り組みも進展していくことが期待されています。
- エシカル商品とは何ですか?
-
人や社会、環境を意識して作られた商品のことです。
- エシカル食品とはどんな食品ですか?
-
「エシカル食品(エシカルフード)」とは、環境問題や労働問題、社会問題に配慮した食品のことです。
エシカルとは「どこで、どのように、誰によって作られた?」を考えること
以上ですが、「エシカル」とは何か?そしてエシカルアクションの代表例として「エシカル消費」とは何かについて解説してきました。
我々が普段行っている「消費活動」。
この消費活動において生み出されるエネルギーは世界を変えるほどの影響力を持っています。
今までの買い物に「どこで、どのように、誰によって作られたか」をほんの少し意識を加えることで、持続可能な社会を実現できるはずです。
全世界共通意識として今回の「エシカル」がより広く人々に根付いていけば、我々の普段の生活で世界を変えていくことが出来ます。
以上お読みいただきありがとうございました。
コメント