本記事では、中村明さん著『文章を彩る表現技法の辞典』に関する感想をお伝えしていきたいと思います。
さて、「文章術を本気で学び、稼ぎたい!」と思っている方というのは、「直喩法」や「体言止め」などを代表とする「表現技法」に興味をもっているはずです。
そして、そうした「文章術テクニック」が現在どのくらい多く種類があるのか知りたい!とも同時に思っているはずです。
そんな「表現技法」について専門的に学びたいという方には、「表現技法」についての種類や内容が網羅された今回の『文章を彩る表現技法の辞典』は非常におすすめな一冊になるはずです。
この『文章を彩る表現技法の辞典』は、300種類以上の「表現技法」が網羅的に解説されているうえ、過去の文学作品にも数多く触れることができますので、日本の美しい言い回し、や「表現技法」を学びたいという方には非常におすすめな一冊なんです。
また2020年に発売された本書ですが、「日々の文章表現にすぐに役に立つ!!」と本の帯にあるくらいですから、日々文章で収入を得ている人間からすれば無視できない「一冊」のはずです。
例えば私のような「個人ブロガー」であれば、文章術に基づく書籍はどんなものでも関心があるし、それが自分のタメになるとなれば、より一層、読まずにはいられません。
果たしてわたしのような「個人ブロガー」に、この『文章を彩る表現技法の辞典』はどのような影響を及ぼしてくれるのでしょうか?
現在「ブロガー」のかたや、「webライター」のかたでも参考になる内容となっておりますので、是非参考にしてみてください!
前置きが長くなりました。
それでは参りましょう。
文章を彩る表現技法の辞典はどんな本?
項目 | 情報 |
---|---|
タイトル | 文章を彩る表現技法の辞典 |
本の長さ | 304ページ |
言語 | 日本語 |
出版社 | 東京堂出版 |
発売日 | 2020/1/25 |
寸法 | 13.8 x 2.6 x 19.5 cm |
まず『文章を彩る表現技法の辞典』とは一体どのような本なのでしょうか?
ここでは簡単に今回の『文章を彩る表現技法の辞典』が、一体どのような本なのか筆者の感想を交えながら見ていきたいと思います。
文章を彩る表現技法の辞典とは?
『文章を彩る表現技法の辞典』とは、誰でも本格的に「表現技法」が学べる一冊です。
中村明(なかむらあきら)さんという方が執筆されました。
重厚な「ハードカバー」で装幀されており、ページ数は304ページにも及びます。
また本書は2020/1/25に発売されたもので、出版社は「東京堂出版」です。
電子書籍版での販売はなく、ハードカバーのみの販売となります。
また下の画像をご覧になっていただいてもわかる通り、購入者によるレビューも非常に高く、この『文章を彩る表現技法の辞典』が、いかに良書なのかがうかがい知れます。
日々の文章表現にすぐ具体的に役立つということを言いたい
次に、再度、本書の帯に書かれている内容を確認してみましょう。
以下が本書の帯に書かれている内容です。
とありますね。
要するに、本書がいいたいのは、本書内で紹介している「表現技法」が日々の文章表現に役立つということなんですね。
なので本書では日々「書くこと」で生活している者にとって、有益となる「表現技法」がたくさん紹介されているということが、この帯からは推測されるのです。
様々な表現技法がでてくる
そこで実際に本をめくるとほんとうに多くの文章技法が紹介されておりました。
それまで「直喩法」や「体言止め」くらいしかまともな「表現技法」しかしらなかった私は、本書で紹介されている「表現技法」の多さに愕然としました。
上の画像は本書の最後のページで実際に紹介されているものなのですが、「登場する表現技法」を「あいうえお順」で並べたものになります。
ザっと、「300個以上」もの「表現技法」が本書では紹介されているんです。
これは驚きですよね。
そもそも「表現技法」がそこまで多く存在することすら知らなかったわけですが、私がこれまで慣れ親しんだ「直喩法」や「隠喩法」といった「表現技法」は、「文章テクニック」においてほんの序の口にしか過ぎなかったことがこれでわかるわけです。
また中には「サスペンス効果」や「情報カット」といった、これまでにないユニークさで興味をそそる「表現技法」もでてくるので、この索引を眺めているだけでもあきません。
こんなに多くの「表現技法」をマスターできたら、小説家にだってなれるだろうし、ブロガーやwebライターで稼ぐことも簡単なんでしょうね~(笑)
昔の作品や作家を参考に、日本語の奥ゆかしさを堪能しながら「表現技法」を学べる
また本書では「表現技法」を読者に親しみを持って学んでもらうために、本書内で沢山の文学作品が紹介されております。
その作中で使われている「一文」をもとに、「表現技法」を学んでいくというスタイルなんですね。
例えば上の画像で紹介しているのは「谷崎潤一郎」の『細雪』の一文を参考にして「表現技法」の知識を深めていくというものです。
本書ではこのようにして、「夏目漱石」や「坂口安吾」など名だたる作家の作品をもとに「表現技法」を勉強していけるので、文学ファンからしても嬉しいですね。
また本書の最後のページでは、本書内で紹介された「作品」が一覧化されているわけですが、このように非常に多くの「作品」が本書内には登場してくるのです。
中には自分がお気に入りの「作家」だったり、お気に入りの「一節」なんかも紹介されているので、読んでいて本当に楽しいし、楽しみながら「表現技法」を学んでいけるはずです。
本書は「表現技法」を学べるのと同時に、日本語表現の奥ゆかしさに改めて気付ける作品だと思います。
技法索引ができるので、辞書のようにも使える
そしてこの『文章を彩る表現技法の辞典』はその名に「辞典」とつくくらいですから、「文章技法」を専門に学ぶための辞書としても、勿論使うことができます。
例えば先程も簡単に紹介しましたが、本書の最後では「表現技法」をページごとに索引できるため、わからない「表現技法」があったときや、もう一度読みたい時などに簡単に読み返すことができるのです。
まさに常に持ち歩きたい学びの一冊ですね。
文章を彩る表現技法の辞典を書いた中村明さんはどんな人?
ここまでザっと『文章を彩る表現技法の辞典』の特徴を感想を交えながらお伝えしてきました。
次にここで『文章を彩る表現技法の辞典』の著者、中村明さんとはどういった方なのか?について簡単にご紹介したいと思います。
中村明(なかむらあきら)さんは、1935年9月9日、山形県鶴岡市の生まれです。
本書の中では、東京の「三鷹近郊」の描写が沢山描かれていることから、てっきり生まれも東京の方なのかと思っておりましたが、東北地方出身の方のようです。
また中村さんは国立国語研究所室長、成蹊大学教授を経て、母校早稲田大学の教授となり、現在は同校の名誉教授を務めていらっしゃいます。
そんな中村さんの専攻は文体論と表現論になります。
まさに「表現技法」のプロと呼ぶにふさわしいお方ですね。
この中村さんの主著には、『比喩表現の理論と分類(秀英出版)』、『作家の文体(筑摩書房)』、『日本語レトリックの体系(岩波書店)』、『文体論の展開(明治書院)』、『美しい日本語(角川書店)』、『音の表現方法(東京堂出版)』などがあります。
いまここでご紹介した以外にも数多くの「文章表現」に関する書籍を世の中に輩出しており、その道の第一人者であることがわかります。
文章を彩る表現技法の辞典にでてくる10個の表現技法を一覧化してみました。
それでは続いて本書で紹介されている「表現技法」の中で、ユニークなものを厳選し、一覧化しましたのでここで少しご紹介できればと思います。
本書の運営に迷惑が掛からない範囲でお伝えしていきたいと思いますので、それ以上を知りたいという方は是非本書のご購入を検討してみてください。
- 奇先法=最初に奇言を発して注意を引き、後に説明して納得させる方法
- 情報待機=ある情報を故意に待機させる方法
- 未決=情報を待機させ文意を宙づり状態に置く方法
- 誤解誘導=必要情報を故意に伏せて誤った思い込みを誘う方法
- 断絶=文章を途切れ途切れに運ぶ方法
- 倒置=述語を前にずらし、語順を入れ替える 表現技法
- 照応法=隔てて置いた関連情報が呼応するように配列する方法
- 対照法=対照的な二者を並列させ、引き立てあうようにする方法
- 漸降法=次第に尻すぼまりに展開するように情報を並べる方法
- 漸層法=次第に盛り上がるように展開させる方法
さていまここでご紹介した「表現技法」の中で、あなたが知っていた「表現技法」は果たしていくつあったでしょうか?
残念ながら私は「倒置法」しか知りませんでした。
またいまここでご紹介した「表現技法」は、すべて本書の「第1章、情報の操作」のみで紹介されているものです。
このような「表現技法」が、本書では例文が加えられながら「第16章」まで続くと言うのですから、本書で扱われている「表現技法」の多さにあなたも驚愕するはずです。
表現技法とは?ジブリムスカ大佐に学ぶ表現技法
ここで少し余談を失礼します。
そもそも「表現技法」とは文章を書く際に、用いる「テクニック」ですよね。
我々のよく知るところでは、以下のような「表現技法」があります。
- 直喩
- 隠喩
- 擬人法
- 倒置法
- 体言止め
- 反復法
- 省略法
しかしこのような「表現技法」は耳にしたことはあるが、どこか難しく近寄りがたいイメージがあるし、実際はどのようなものか分からないという方は多いと思うんです。
そんな堅苦しいイメージの「表現技法」に対しユニークな発想で、人々の関心を深めている事例があります。
これは、高校に通う学生が投稿した一文ですが、授業の最中に先生からこのようなプリントが実際に配られたというんですね(笑)
ジブリの名作『天空の城ラピュタ』にでてくる「ムスカ大佐」の作中のセリフを例に、「文章技法」に対する知識を深めてもらおうという狙いのようです。
せっかくなのでここでも少し見てみましょうか。
- 直喩(ような、ようだなどを使って例える)/見ろ。人間がゴミのようだ!
- 隠喩(ような、ようだを使わずに例える)/立て鬼ごっこは終わりだ!
- 擬人法(人でないものを人に例える)/全世界は再びラピュタの元にひれ伏すことになるだろう!
- 倒置法(語順を入れ替える)/見せてあげよう!ラピュタの雷を!
- 体言止め(文末を名詞で終わる)/中へお進みください、閣下。
- 反復法(同じことを繰り返す)/読める!読めるぞ!
- 省略法(後ろの言葉を省略する)/目が、目がぁ・・・
面白いですよね。(笑)
「文章技法」というとどこか難しく近寄りがたいイメージがあるわけですが、このように身近なキャラクターや作品のセリフに例えて、読者は想像しやすい、シチュエーションを作って認知させてあげることが「表現技法」を学ぶ上では最適な方法なのかもしれません。
ですから今回の『文章を彩る表現技法の辞典』にも本当に多くの文学作品や、そのキャラクターたちを登場させながら、中村さんが丁寧に解説をしてくれているんですね。
この投稿は多くの人から反響を得た形となりました。
文章を彩る表現技法の辞典はどのような人におすすめ?
それではこの『文章を彩る表現技法の辞典』はどのような人におすすめなのでしょうか?
以下の条件に当てはまる人はおすすめといえるでしょう。
- 専門的な文章技法を学びたい人
- 日本の文学作品が好きな人
- 日本の美しい言い回し、や「表現技法」を学びたい
やはり過去の文学の名ゼリフや名表現をもとに学べる点はこの『文章を彩る表現技法の辞典』の最大の特徴と言えるはずです。
なので専門的な文章技法を学びたい人で、かつ日本の文学作品が好きな人であればこんなにおすすめな書籍は無いように思います。
また本書を通せば、過去の文学作品にも数多く触れることができますので、日本の美しい言い回しや「古くからある表現技法」を学びたいという方には非常におすすめな至極の一冊となっております。
文章を彩る表現技法の辞典のデメリットは?
逆に、『文章を彩る表現技法の辞典』のデメリットはあるのでしょうか?
またその際、どういった人にはおすすめではないといえるのでしょうか?
失礼を承知で申し上げますと、今回の『文章を彩る表現技法の辞典』の著者中村明さんは、御年80歳を超えられたかなりご年配のお方です。
なので、作中に含まれる文章表現や、言葉つかいはどれも現代人の使う言葉とはかけ離れており、読みにくく、理解しにくい印象を受けました。
また専門家ならではの見解も要所でちりばめられており、凡人である私には「これはいったいどういうこと!?」と、いちいち歩みをとめざるをえませんでした。
当然自分の勉強不足もあるのでしょうが、それでもこの『文章を彩る表現技法の辞典』がかなり「難解の書」であるのは間違いありません。
なので、スラスラ読めるものではありません。
また本書で紹介されている「表現技法」を学んだからといって、例えば我々個人ブロガーの文章術にいきるか?と聞かれればおそらくそんなことはないと思います。
というのも文章力の基本や知識に触れるような内容は皆無だからです。
言ってしまえば、本書に出て来る大半の「表現技法」は文章力を磨くというより、大人のたしなみを味わうといった意味合いの方が強く、文章で稼ぎたいと思ってるブロガーや、ライター、アフィリエイターにいきる知識はあまり含まれていないように感じました。
なので文章力の基本や知識を学びたいのであれば、本書は買わない方がいいと思います。
本当に「表現技法」を専門的に学びたいと思っている人にこそ、おすすめで、私のような中途半端に「表現技法を学びたいぁ」と考えている人間は手に取らないことをおすすめします。
文章を彩る表現技法の辞典レビュー、まとめ
ここまで『文章を彩る表現技法の辞典』のレビューを簡単にご紹介してきました。
本書は、「表現技法」を専門的に学びたいと思っている方には、非常におすすめな一冊です。
普段我々に慣れ親しんだ「表現技法」をはじめ、これまで知りえなかったマニアックな「表現技法」まで数多く紹介されているので、かならずあなたに「学び」と「新発見」を与えてくれることでしょう。
また本書では過去の文学作品に触れながら学んでいくことができるので、日本の美しい言い回しや、「古くからある表現技法」も学びたいという方にも非常におすすめな一冊となっているのです。
著者の中村明さんの長年培ったノウハウがたくさん詰まった至極の一冊といえるでしょう。
興味のある方は是非手に取ってみてはいかがでしょうか?
コメント